録音のコツ

和楽器の録音

2014/04/18

琴、三味線などの和楽器を録音する機会はあまりないかもしれません。
ですが、和楽器は打込みと生演奏では全く音色が違います。
ですから、和風の曲には欠かせない楽器となります。
ここでは、代表的な琴・三味線・尺八について解説してみます。

三味線

shamisen
三味線は撥で叩くように弾く楽器です。
ですから、撥を当てるポジションを狙ってしまうと、アタックの威嚇強くなりすぎてしまいます。
胴体ではなく、棹の方を狙います。
また、三味線は津軽のように激しいものと、歌舞伎で使われるようなもので、全く音量が違います。

津軽の場合、1m近く離しましょう。その他の三味線は60センチ位で大丈夫ですが、これも聞きながら調整して下さい。

マイクはリボンマイクが一番合います。
コンデンサーマイクはあまり合いません。
リボンマイクが無ければ、ダイナミックマイクの方がいいです。
どうもコンデンサーマイクだと高域がキツすぎるようです。
EQで後で処理してもいいのですが、やはりリボンマイクの独特の録り音は替え難いものがあります。
三味線には是非リボンマイクを使ってください。

琴(箏)

Japanese_Koto
琴(箏とも書きます)は絃を指にはめた爪で弾く楽器です。
こちらも三味線のように手元を狙ってしまうと、アタック音が強くなってしまいます。
琴はかなり長い楽器ですので、真ん中辺りを上から70センチ位離して狙って下さい。

琴にもリボンマイクが合います。
ただ、三味線よりも音量が小さいので、リボンマイクによってはかなりゲインを上げなくてはいけなくなってしまいます。
ファンタム電源が必要なアクティブ・リボンマイクが感度も高く丁度いいでしょう。
ただ、琴の場合はコンデンサーマイクでも大丈夫です。
高音にあまりクセのないものを使用しましょう。
真空管マイクも合うようです。

尺八

shakuhachi
尺八は縦に吹く管楽器です。
他の管楽器に比べ、息の音がかなり入ります。
正面ではなく、上から50センチ位離して狙いましょう。
正面から録ると、息の音が入ってしまう恐れがあります。

尺八はコンデンサーマイクが合います。
ただ、尺八は倍音がかなり複雑な楽器です。
特に10khz辺りにノイジーな音が入ってきます。

EQで処理するか、高音が持ち上がらないマイクを選びましょう。

これは和楽器全般に言えることなのですが、
和楽器は音の余韻が大事な楽器です。
可能でしたら、アンビエンスマイクも併用すると、より良い音が録れます。
楽器全体から出る音を感じてみて下さい。

-録音のコツ