コンデンサーマイク
2016/06/10
コンデンサーマイクとは?
市販のCDはほぼ(ボーカルの場合)コンデンサーマイクで録音されているといっていいでしょう。
ダイナミックマイクに比べ、高音まで録音できるのが特徴です。
互いに平行な2枚の金属板を近接させるとコンデンサになる。その一方をダイヤフラム(蒸着などにより金属を貼り付けたプラスチックフィルム、または金属薄膜)に置き換えると、振動に応じて電極間の距離が変わるため、音声信号に比例した静電容量の変化が発生する。
高抵抗を介して電極間に直流電圧をかけると、静電容量の変化をそれに比例した電圧の変化として取り出すことができる(コンデンサマイクロホンカプセル)。
wikipediaより
これはつまり、別に電源供給が必要だということです。
乾電池で供給できるものもありますが、大半はマイクプリアンプからマイクケーブルを通して供給するPhantom(ファントム、ファンタム)電源方式が多いでしょう。
このファンタム電源方式は注意が必要で、これをオンにしている間は絶対にケーブルの抜き差しは厳禁です。また、ダイナミックマイクにも使用してはいけません。破損の原因となります。
また湿気にも弱く、乾燥剤等を使用したり防湿庫で保管されたりもします。
ダイナミックマイクと比べると高価なものが多く、扱いも繊細ですが、感度はかなり高く、またクリアな録音が可能です。
ただ、感度が良いため、気を付けないと思わぬ雑音まで拾ってしまいます。
空調の音や、電化製品の音等、部屋によって注意しましょう。
真空管マイクについて
コンデンサーマイクの一種ですが、真空管を使用したマイクがあります。
真空管を使用するとどうなるのか?
一般的に
・音が太い
・しかし、まろやかで繊細な表現もきちんと録音できる
と評されることが多いです。
ですが、とにかく真空管を使用したマイクは高価なものが多いんです。
比較的安価なものもありますが、そういったものはわざと少し歪むようになっていて、
それが、独特の暖かい音になってように「聞こえる」というものがほとんどです。
音響関連では真空管を使用した機材は色々ありますが、真空管「だから」良いとは限りません。
自分が求める音をまず思い描いてから、マイク探しをしないと失敗してしまいます。
また、真空管マイクの場合、専用の電源ユニットが付属しますので、場所を取りますし、持ち運びもしにくいです。
そして、高価なマイクを買った場合、相応のマイクプリアンプも無ければ性能を引き出せませんし、
マイキングの技術が無いと宝の持ち腐れになってしまいます。
どんな機材もそうですが、高級機材を買っても、それを使いこなす技術が無ければ全く意味がありません。
可能ならば試聴したうえで、どうしてもそのマイクでなければダメというものを買いましょう。
真空管は交換可能
真空管マイクにおいて真空管の「質」はかなり重要となります。
これの質が悪いとノイズの原因などになりますので、気を付けましょう。
また、真空管も使用していると当然劣化してくるので、交換が必要になります。
交換時、真空管にもいろいろと規格がありますので注意して下さい。
規格が違うと使えません。
マイクで使用されることが多いのは「12AX7」という規格です。
選ぶポイントとして、中国産は質が悪いと言われているので、他を選びましょう。
例えば、これはロシア産になります。
AKG ( アーカーゲー ) / C12VR
↑AKGが誇る超高級真空管マイク。値段を見るとビックリします!
価格帯別おすすめコンデンサーマイク
2万円以下のコンデンサーマイク
MXL ( エムエックスエル ) / MXL-V67G
MXL ( エムエックスエル ) / MXL-V67G
最近、低価格帯の定番となりつつあるMXLのコンデンサーマイク。
この機種は価格1万円台とかなりの低価格となっています。
RODEの特徴である高音のギラつきはなし。
良く言えば自然な音、悪く言えばつまらない?
RODE ( ロード ) / NT1-A
RODE ( ロード ) / NT1-A
割りと入門用のおすすめとして紹介されている、いわゆる「定番」のコンデンサーマイク。
サウンドハウスの売上ランキングでも常に上位にランクインしている。
ただ、コンデンサーマイクの特徴である高音が強調されるので、気になる人には合わないかも。
とはいえ、高価なのが当たり前だったコンデンサーマイクで低価格路線を打ち出したという功績は大きい。
audio technica ( オーディオテクニカ ) / AT2035
audio technica ( オーディオテクニカ ) / AT2035
海外製が多い中、audio technicaは日本のメーカーとしてかなり頑張っています。
クセのない音でいろいろな用途に使える。
ただ、それが個性がないと言われてしまうことも。
ファンタム電源が必要ですが、いわゆるコンデンサーマイクと違い、「バックエレクトレットコンデンサー型」のマイクで、感度は劣るものの、耐久性は高くなっています。
2万円~5万円のコンデンサーマイク
AKG ( アーカーゲー ) / C214
AKG ( アーカーゲー ) / C214
いわゆる定番マイク。
スタジオならほぼ常設されている名機、C414の下位モデル。
ボーカルからアコースティック楽器まで色々使えます。
高音に特徴があり(13khz付近)、少し持ち上がりますので頭に入れておくといいでしょう。
audio technica ( オーディオテクニカ ) / AT4040
audio technica ( オーディオテクニカ ) / AT4040
前述のAT2035の上位機種。
比較的クセのない音として色々使える定番マイクです。
一つ持っておくと便利。
価格も3万円前後とお求めやすくなっています。
国産を応援したい人は是非!
BLUE ( ブルー ) / Baby Bottle
BLUE ( ブルー ) / Baby Bottle
特徴あるフォルムのマイクを数多く発売しているBLUE社。
形は奇抜ですが、性能は充分です。
比較的フラットに録音できます。
価格はこちらも3万円半ばほど。
MXL ( エムエックスエル ) / MXLV69M-EDT
MXL ( エムエックスエル ) / MXLV69M-EDT
低価格の定番となってきたMXLの真空管マイク。
高価なものが多い真空管マイクの中ではかなりの低価格。
低価格といっても3万円以上しますが……。
でも、真空管マイクの音を聞いていみたい!という人にはいいかも。
M-EDTとは、モガミエディションのことで、モガミのマイクケーブルが使われています。
ノイズも少なく、評価の高いマイク。
5万円以上のコンデンサーマイク
audio technica ( オーディオテクニカ ) / AT4050
audio technica ( オーディオテクニカ ) / AT4050
AT4040の上位機種。
傾向も似ているが、音のスッキリ感は増してます。
何にでも使えるとの評価が多い。
無難に使える定番マイク。
一番の欠点だった付属ショックマウントがいつの間にか変わってた。
当然だけど、これは評価したい。
前はゴムバンドに乗せるだけだったもんなぁ……。
AKG ( アーカーゲー ) / C414-XLII
AKG ( アーカーゲー ) / C414-XLII
レコーディグスタジオならまず置いてある定番。
指向性を9段階に変更できるのはとても便利。
どちらかというとアコースティック楽器向き?
2本使ってステレオ録音に使用されることも多い。
RODE ( ロード ) / NTK
RODE ( ロード ) / NTK
低価格帯で定番のメーカー、RODE社の真空管マイク。
オールマイティーに使えると評判。
メーカーいわく頑丈な作りらしい。
MXL ( エムエックスエル ) / Genesis
MXL ( エムエックスエル ) / Genesis
こちらも低価格帯の定番メーカーMXLの真空管マイク。
MXLV69M-EDTよりは価格が上になります。
ちなみに、これもちゃんとモガミのケーブルが使われています。
真空管マイクらしい音、との評価がある。
2009AESショー(サンフランシスコにて)のPAR大賞としてMXL GENESISが選ばれている。
しかし、MXLのマイクは派手な色のマイクが多いですね。