ミックスダウン

ミックスダウンのコツ

はじめに

まずはミックスの最終形をしっかりとイメージしておくこと。
やみくもにいじってもメチャクチャになるだけです。
自分はどのようなサウンドに仕上げたいのか?
基本は「何を一番聞かせたいか?」という事です。
その聞かせたいものがしっかり目立つようにバランスを整えていくようにしましょう。

基本はボリュームとパン

MixerVolumePan
コンプレッサーやEQ等、プラグインを使うのがミックスと思っていませんか?

まずはボリュームとパンニング(左右の振り分け)で聞きやすく出来るようになりましょう。
「10分ミックス」という練習方法があります。
これは時間を10分と決めて、ざっとミックスしてみる。
これを何度も繰り返します。
同じ人がやっても、やる回によって違うバランスになるでしょう。
人間の耳なんてそんなものなんです。
ただ、これを繰り返す事で優先順位の決め方、自分のクセ等分かってきますので是非やってみましょう。

プラグインはもちろん、使うなとは言いません。
しかし、「必ず」使う必要はないのです。
使わない方が良い場面もあるかもしれません。
使う場合は「なぜ」使うかという事を常に考えるようにしましょう。

帯域を意識する

EQ6signalchain
EQ(イコライザー)はある特定の周波数の音をカット(音量を下げる)かブースト(音量を上げる)作業です。
基本は「削る」事が主になります。
まずは適当な周波数を思い切りブーストして動かしてみます。
すると、いやな音が強調されるポジションが見つかるはずです。

そこをカットしてあげると聞きやすくなるはずです。
どうしても物足りない周波数はブーストしますが、他の周波数帯を下げる事で相対的に上げる事も
可能です。

また、基本的に複数楽器があると思いますが、まずは周波数帯の住み分けをざっくりと決めておきましょう。

同じような周波数帯でぶつかると、音を打ち消しあってしまいます。
例えば、いくらボリュームを上げてもボーカルが埋もれて聞こえる…。
という場合、伴奏の楽器の周波数がかぶっている場合があります。
一つずつ伴奏を増やしていき、埋もれた時が「犯人」です。

そのような場合、かぶっている周波数をあまり聞こえなくていい方をカットする事によって浮き上がってきます。

コンプレッサー

S0038_Compressor
上記でプラグインはなるべく使わない方がいいと書きましたが、使い方を知らないままなのはいけません。
どうしても必要な場面は出てきます。

まずは「コンプレッサー」についてです。
慣れないと効果は分かり辛いかもしれません。
しかし、確実に変わります。
コンプレッサーとは何か?
これは音を「圧縮」する事です。
録音したものは、当然部分によってボリュームに差が出ます。

音が小さいなと思った時、どうするか。
まずはボリュームを上げます。
しかし、0dbを越えると音は歪んでしまいます。
こういった時、コンプレッサーを使います。

ある音量より上にいかないよう音を「つぶす」ものです。
え?じゃあ音が小さくなるの?と思ったでしょうか。
確かに小さくなります。
ですが、音をつぶした後、全体のボリュームを上げる事でピークを越える事なく音量を上げる事ができます。

コンプレッサーにはパラメーターとして
1.スレッショルド(threshold)
2. レシオ(ratio)
3.アタックタイム(atack time, AT)
4.リリースタイム(release time, RT)

があります。

1.スレッショルド(threshold)

スレッショルドとは閾値(しきい値) の事です。
つまり、この値を超えた音を圧縮するという事です。
例えば-25dbに設定すれば、この値を超えた音「だけ」が圧縮されます。

2. レシオ(ratio)

レシオは圧縮率の事です。
これは数値で表す場合、例えば2.0なら2:1に圧縮。
つまり音量を2分の1にするという事です。

なので、先ほどのスレッショルドと合わせると、
スレッショルド-25、レシオ2.0に設定した場合、
-25dbを越えた音を2分の1に圧縮する。
という意味になります。

3.アタックタイム(atack time, AT)

アタックタイムはスレッショルドを越えて、レシオの値になるまでの時間の事です。
つまり、これが短いほど、速くコンプレッサーがかかるという事です。
このパラメーターは「ms」という単位が使われますが、これは1000で1秒です。

4.リリースタイム(release time, RT)
リリースタイムはスレッショルドの値より小さくなった音がコンプレッサーを解除されるまでの時間です。
これもアタックと同じで「ms」が単位です。
これは何のためにあるかというと、
音量が下がった時、すぐにコンプレッサーが解除されてしまうと、とても不自然になってしまいます。
なので、徐々に解除されるようになっています。

しかし、これを適当に決めてしまうと演奏を台無しにしてしまう可能性がありますので注意しましょう。

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